後期から学部3年生が研究室に配属になったので、一緒に統計の勉強会する事にした。今年は3年生4人、博士課程3人という面白い構成。昨年と同じでテキストは「
統計のはなし」(粕谷英一著)。毎週一章で、2月中旬に読み終わるというのんびりペースです。先週は第0回で予定の確認と「番外編」を扱っただけで、今日が本格的な第1回。様子見と言うことで私が説明しました。サンプル数と検出力の関係とか、統計量ってこんな感じで計算したりするのかとか雰囲気は分かってもらえたようでした。去年もそうでしたが、3年生は色々調べてよく勉強してくれるので私も良い勉強になります。
「統計のはなし」は会話形式で進み、初心者でも読みやすくて良いのですが、ちゃんと勉強しようとすると体系的な統計の参考書がもう一冊必要になります。去年はどの参考書を薦めるか悩み、結局何も言わなかったのだけど、今年は「
統計学入門」(東京大学教養学部統計学教室編)を薦めることにしました。この本を読んで統計が分かるようになるとも思えないのだけど(←本の説明が悪いとかそういうことではなくて)、辞書として使える本があるのは大切なので(この本、フォントもう少し小さくしてレイアウト変えるだけで随分読みやすくなると思うのだけど残念)。去年は自分自身に統計を俯瞰する力がなくて(今よりもっとなかったというイミ)、「統計学入門」の目次見ても「やっぱりこういう事知らないといけないのかなぁ」と面倒くささが勝ってしまったのだけど、今年は疑問点があってそれを調べるには役に立つ本だと思えるようになった。
参考書を無事に見つけたのは良いのだけど、では、「統計のはなし」を読んだ後はどこへ行けばいいのかが問題。
Crawley本へ行くのが一番だと思うのだけど、統計の前に英語の壁が立ちはだかるのはやっぱりきついんだろうか。Crawly本に近い日本語の本と言えば「
Rによる統計解析の基礎」(中澤港著)かもしれないが、学生だけではなかなか読みこなせなさそう。それよりも、「
生態学入門」(日本生態学会編)読んで色々な現象を数式で説明するサマを見た方が結局これから自分が何やろうとしているのかよく分かるのかもしれない。あー、統計の本読んでもよく理解できないって言うのはそういうことなのかもしれないなぁ。やっぱり読んでいて面白い統計本は、例題自体が面白くて、それに引きずられて読み進められるんだと思う。そういう意味でも優れている本が洋書には多いのでどうしても洋書を薦めたくなってしまうんだな。きっと、そういう例題を見て育った先生は自分が本を書くようになると自然と面白い例題探してくるんでしょう。
三中さんの
統計学へのお誘い本リストはなかなか現実的で参考になりました。