生態学会で水辺林の生態系管理に関連して勉強になった研究発表とついでに自分のも(要旨にリンクしてます)。■以下は私の感想。
P1-028 上高地梓川における河畔林への氾濫が林床植生の構造・種組成に及ぼす影響-氾濫による撹乱と一年後の植生回復- *川西基博(立正大・ORC),石川愼吾(高知大・理)
■ケショウヤナギ群落も放っておけば遷移するってものでもない。林床植生が攪乱を受けて遷移後期種に侵入の機会を与えることが必要?今後の調査結果が楽しみです。
P1-042 千曲川中流域における高水敷掘削前後の植生の変化 島野 光司(信州大・理),岩田 直人,星野 義延,吉川 正人(東京農工大・農)
■高水敷掘削による河川断面積の増加と外来種除去&自然植生の回復の一石二鳥な生態管理の好例。治水と河川環境の回復はけっこう合致するのではと思います。
P1-050 増水が河川の岩場に生育するユキヤナギ個体群に与える影響 芦澤 和也(明治大・院・農)
■ユキヤナギはバラ科です。岩場に張り付く植物はなんかそれだけで魅力的に見えてしまうのは私だけでしょうか?
P2-001 ケショウヤナギの低密度化が送粉様式に与える効果 *永光輝義(森林総研),星川健史,戸丸信弘(名古屋大)
■おお、帯広川のケショウヤナギがお隣の川(札内川と美星川)の群落にからも花粉を提供してもらっていることを軽やかに示した美しい研究。ケショウヤナギの成木が357個体しかいない帯広川を見つけてきたことがすごい。これで、札内川のケショウヤナギは隣接河川の群落にも貢献してますよーとか言えます。
P2-041 Effect of channel morphology on FPOM transport distance based on dam originated plankters as tracer *玉基英(京都大・工), 竹門康弘(京都大・防災研), 山本佳奈(京都大・工), 一瀬諭(琵琶湖環境研)
■今後、二枚貝への影響について話はふくらんで行くそうです。
P2-055 アマモ場の時空間変動に対する周辺環境の影響 *渡辺健太郎(千葉大・院・自然科学), 仲岡雅裕(千葉大・院・理), 石井光廣(千葉県水産総合研究センター), 近藤昭彦(千葉大・環境リモセン)
■Flagstatsを使用して解析していました。空間統計はやっぱり実例を色々見せてもらうのが一番分かりやすい。
C1-06 河川敷における自然攪乱と人為攪乱が植物の出現に与える影響 -連年モニタリングによる評価- *石田真也(新潟大院・自然科学), 稲川貢(国土交通省信濃川河川事務所), 野口将之(建設技術研究所), 紙谷智彦(新潟大院・自然科学)
■残念ながら発表は見れなかったのですが、以前の研究の別刷りを頂きました。来年はぜひ発表を見せて頂きたいと思います。
P3-273 札内川における河道の樹林化とダムの影響 *高橋まゆみ,中村太士(北大・農)