【Editor's Insight: 国際誌への論文投稿のコツ、査読・編集の実際】
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Ecological Researchは修論レベルのデータ量でOKだが、記載的な論文はリジェクトする。東アジアからの情報発信を大切にしている。Population Ecologyはまだ投稿数がそれほど多くないので細やかな対応が出来る。論文の受理を早めたい人(卒業要件を満たしたい学生、論文数増やしたいポスドクとか)には「条件付きアクセプト」を出すことも可能。Ecological Lettersは研究の新規性を重視。Ecologyは研究の重要性を重視。雑誌のスコープをしっかり読んで投稿しよう。雑誌の性格はHandling Editorが握っている。
Reviewerの負担を減らすためにもEditor Rejectの割合は高くなってきている。Reviewerは研究内容が近い人や引用文献の著者を選ぶことが多い。ReviewerもEditorに評価されており、何回お願いして、何回レビューをしてくれたかなどの情報は編集部に記録されている。著者推薦のReviewerに依頼するかはEditorによるが、希望を書く欄などはすべて埋めておいた方がよいでしょう。同期やポスドクくらいの時間のある人を推薦した方がReveiwerに採用されやすい。Cover Letterに1パラグラフで自分の論文の売りを分かりやすく書こう。Introductionにも売りを分かりやすく入れるべき。Reviewer同士の意見が対立した時など、どう直して良いか迷ったらEditorに質問することも可能。オンラインファイルはカラーでも追加料金はかからないので、なるべく図はカラーで。しかも、モノクロ印刷しても分かりやすい図を作ろう(パターンを上手に使う?)。日本人は日本人の文献を引用しない傾向がある(欧米好き)。
結局のところ、何をこの論文でアピールしたいのかをしっかりEditorに伝えて、それが伝わるような論文を書きましょうということでした。イントロと内容が一致するように書こう。Reviewerにも読者にも誤解をされないような論文を書くことが必要ですね。そして、修正原稿は早く送り返しましょう。もし、〆切を守れない事情があるなら早めに連絡しましょう。
【若手のための学位取得後のキャリア支援】
激戦の助教の採用プロセスについて色々と教えて頂きました。准教授の採用基準ではないかと思うくらいの厳しさでした。近年の若手研究者のレベルアップというか、就職難というか、競争の激しさをひしひしと感じました。すでに常勤職に就いている人でもこの採用基準を突破できない人は沢山いそうです。首都大の先生のお話の中で、「単なる論文数ではなく、それぞれの論文への貢献度を評価する、学生への指導力を評価する(助教の採用で指導力問われるご時世なんですね…)」と出てきたので、「一体それはどうやってはかるの?」という質問がありました。その答えは「それが分かるように書類を書いて下さい」とのこと。他にも「インパクトファクターの善し悪しはどれくらい評価されるのか?」というにも「難しい雑誌に載ったことを評価して欲しいなら、それをアピールすること」と答えていました。助教の採用には「独立して研究が進められる事」が必要条件なので、それがしっかり伝わる書類を作って欲しいそうです。ちなみに、CDに書類のPDFファイル焼いて同封してくれると助かるとか、書類はホッチキスじゃなくて、クリップで止めが良いとか、採用側の負担を減らす配慮もあると嬉しいそうです。