3月末に基盤地図情報の数値標高モデル(5mメッシュ)が公開されましたが、3週間かかってようやく北海道DEM(GeoTIFF)が出来ました。最初はArcGISでの作成を試みたのですが、変換ツール(国内データ)のバグで作成不能。次に、地理院謹製のFGDV(基盤地図情報ビューワー)でポイントShapefileを出力して、ArcGISでShapefile→ラスタへ変換を行ったのですが、FGDVでは河川や湖沼の水面は標高値を出力してくれないことが分かり止めました。水面のないDEMの需要もあると思いますが、 shpの出力ではFGDVがすぐにout of memoryになり、shpからラスタへの変換もかなり時間がかかるので広範囲で出力したい場合は要注意です。
で、結局、皆さまの助けによって(special thanks to 縫村さん、岩崎さん)、GDALをコマンドから動かしてようやく北海道の1次メッシュ(青色図画)ごとの5mDEM(GeoTIFFファイル)ができました。
とりあえず、ArcGISで作るより(っていうか、現状ではArcGIS で北海道全域の5mDEM作るのは不可能??)何百倍も早くできました。
基盤地図情報では3次メッシュの図画でデータが配布されているんですが、小さすぎてやってられません…。下記は室蘭の1次メッシュ(青色)ですが、2次メッシュ(赤色)は飛ばして、3次メッシュ(灰色)のDEMを結合して1次メッシュのDEMを作成しました。
GDAL使うのでなかなか難しいと思うのですが、GDALの勉強がてらやってみるのも悪くないです。作業メモを残しておきます。
■3次メッシュ(灰色図画)のDEMができるまで(適当です)
1.地理院「基盤地図情報」からJPGIS形式のxlmのzipファイルをダウンロード。
2.zipファイルを解凍してxlmファイルを1つのフォルダに入れる。
3.下記リンクからデータ(185MB)ダウンロード。説明に従ってxlm2tif.batの実行
http://dl.dropbox.com/u/1876391/QGIS_MEXT.zip
(まだ、テスト版です。玄人向けとのこと…。)
■3次メッシュから1次メッシュのDEMを作成
5.GDAL1.9が必要です。OSGeo4WのインストーラーからQGISをインストールすると入ります。
4.作成されたtifファイル(3次メッシュのDEM)を1つのフォルダ("D:\tif"としましょう)に入れる。
5.結合したい1次メッシュの番号を並べたテキストファイル"5dem_mesh1.txt"を作成して"D:\tif"に入れる。行頭に";"があるとその行はないものとして読み飛ばしてくれます。必要に応じて活用してください。
6."D:\tif"にカラの"list.txt"を作って入れる。tifフォルダの中は下記のような感じになっているはず。
7.OSGeo4WからOSGeo4W Shellを起動。
8.割り当てメモリの設定。ここでは1024MBに設定しましたが、自分のメモリの空き具合に応じて数字を変えて下さい(2047MB以下じゃないとダメかも)(下のコマンドをOSGeo4Wの画面にCopy&PasteしてEnter)
set GDAL_CACHEMAX=1024
9.作業ディレクトリを3次メッシュのTIFを入れたフォルダに移動。ここでは"D:\tif"(下のコマンドを…以下同文)
cd /d D:\tif
10.1次メッシュの図画ごとに3次メッシュのTIFファイルを結合(下のコマンドを…以下同文)
FOR /F %i IN (5dem_mesh1.txt) DO dir /b FG-JPS-%i-*.tif > list.txt && gdal_merge -o %i.tif --optfile list.txt -init -9999 -a_nodata -9999
11.しばし待つ。私の環境では北海道全域の1次メッシュDEM作成に1時間くらいかかりました。データの多い地域だともっともっとかかるかもしれません。寝て待ちましょう。OSGeo4W Shellの画面にもとのD:\tif>が出てきたらおしまい。
12.1次メッシュのTIFファイルが出来たら、QGISやArcGISで読み込んで頑張って表示させましょう。GeoTIFFファイルで緯度経度(世界測地系)の座標が入っています。表示用のピラミッドファイル作るのにも少し時間かかります。
できた!ピンク色はNODATA, 白はTIFFファイルのカバーしてないところです。北海道の海岸線は後から追加してます。ふぅ、長い道のりでした。世界の幸福のために地理院に再配布許可取って公開するつもりです。