(※この記事から一年、2014年10月に
さっぽろ保育園マップできました!札幌の方はぜひこちらへ)
皆さまクリスマスはいかがお過ごしでしたでしょうか。ふと気がついたら自分にはサンタさんが来てないよ!というママパパに向けて
全国保育所マップを作成してみました。昨年、産前休暇の7月から最後は新生児を抱えて雪の中を合計6つの保育園に見学に行きました。それでも申請直前に「こんなところに保育所あったのか!」と気がついたりして、だれかマップ作ってよーと思ったものです。すでに来年4月の入所申請には間に合わない自治体も多い気がするのですが、認可外保育施設も探さなきゃいけないし、何かと需要があることでしょう。
と、ここで話が終わってしまうと
FOSS4G Advent Calendar 2013(おまけの12月26日担当)的に困るので、このマップが出来るまでの色々をまとめてみます。
1.データはここだ!「国土数値情報(
福祉施設データ)国土交通省」
全国の保育所を網羅するデータはおそらくここだけでしょう。Shapeファイルなので座標も入っていて、GISかじっている方なら楽勝です(と思って安易に始めました)。このデータの素晴らしい所は認可外保育施設も網羅している点ですが、フツーの人は保育所のデータを探してここには絶対たどりつきません。私も教えて頂いて初めて気が付きました。公開されているのに埋もれてるデータって多いですね。
さて、福祉施設データのShapeファイルをダウンロードしてQGISで開きます。保育所のデータを選択してからKMLファイルに変換すれば準備OK。座標が欲しい場合は「ベクタ」→「ジオメトリツール」→「ジオメトリカラムの出力/追加」をして属性テーブルを表計算ソフトにコピペすればOKです。データは、保育所: 23,044/へき地保育所:713/認可外保育施設:6,835/認定こども園:863/幼稚園:13,030 の全44,485点です。KMLは32MB。
2.マップサービスを色々ためしてみる
・マイマップ@Google Maps
まずはこれでしょう。KMLファイルをアップロードすればOK!と思ったら
KML上限3MBに引っかかりました。幼稚園を除いて色々小さくしても18MB。保育所種別で分けても3MB越えてしまうし、都道府県別とか面倒なので撤退。
・
Google Maps Engine Lite
次に試したのはアドレスマッチングもやってくれるGoogle Maps Engine Lite。KMLはダメだけど、CSVはOKなので、緯度経度入りCSVをインポートすると、、10MBが上限だとおっしゃる…。13MBあったので属性データを削って、5MBまで小さくしました。またCSVをぽいっとすると、最初の100行だけならインポートできると(
作例)。シンボルも簡単に変えられ、表も表示してくれて便利なのですが、100箇所じゃどうしようもないので撤退(アドレスマッチングも100行が上限らしい)。Google Maps Engine Proは
価格も高くもないのですが、1レイヤ2000点が上限なので、4万点あるならMaps Engineにしないと難しいようです 。
Lite vs Pro 比較表,
Pro vs Maps Engine 比較表 あえなく撤退。
・Google Earth
Google Earthでレイヤを作って、それをマイマップに読み込めばデータの制限に引っかからないのでは…と思ってGoogle Earthも試してみましたが、あれ、マイマップをGoogle Earthで表示できるけど、逆は別にできないのか??シンボルの設定もどうしたら良いか分からないし、ラベルも出ないし、Google Earth分からん…。KMLファイルを公開してGoogle Earthで開いてもらうと言うのは一つの方法ではあるけど、とりあえず撤退。
・ArcGIS Online
一般にはあまり知られてないけど、データの保管もできたりベースマップも色々選べて面白いサービスです。スマホから見たときに自分のいる場所にピッと移動してくれるのが嬉しい。インポートできるファイルは圧縮したShapeファイル(ZIP), CSV, GPXで住所のジオコーディングもできます。しかし、緯度経度入りCSVファイルをインポートしようとしたら、1000フィーチャー(ジオコーディングは250フィーチャ)が上限でした。組織向けならいけそうですが(
個人向け vs 組織向け 比較表)、残念ながら撤退。
・
Mapbox
おしゃれなマップがいろいろあるし、
インポートできるファイル形式も多いので期待が高まります。かなり本格的っぽい。しかし、CSVをインポートしたはいいけど画面がホワイトアウトして進みません…。KMLで試しても同じ…。重すぎるんでしょうか。PostGISとかもいけると書いてあるけど、4万点ならそちらの方が良さそうだけど、ローテクなので残念ながらこちらも撤退。
・Google Fusion Tables
OFF4G Hokkaidoで困ってる…とLTしたらFusion Tablesを教えて頂きました。CSVでもいいし、住所のジオコーディングもできる。
GUNMA様の記事を見ながらやってみると、おお、できた!!!【
マップはこちら】感動。。。
3.最新データで作成したい
国土数値情報の福祉施設データは素晴らしいのですが、残念ながらデータが古いのです。平成23年度版ですが、出典がばらばらで5年以上前のものあります。待機児童の多い自治体ほど毎年保育園は増えていますから、最新版は各自治体のサイトから入手するしかありません。
札幌市:新設予定が掲載されているのが素晴らしい(親はこの情報が欲しいのだ!)。面倒だけどHTMLからコピペして整形してCSVを作成。
東京都:これはかなり優秀です。統一感に欠ける所もありますが、対応可能なレベル。東京都独自の認証保育園ABもきちんと入っています。問合せたらCSVで整形したファイルも公開OKでした。
千葉県:認可外保育施設が入っていないんですよね。千葉県は認可園に任せろ!という心意気なら嬉しいですね。
埼玉県:PDFかよ…と絶望しかけましたが、
PDFtoExcel変換サービスを教えて頂いてやる気を取り戻しました。でも、認可園だけ、、認可外保育施設に頼るならちゃんとデータも公表して欲しいね。
大阪府:政令指定都市のデータが含まれていません。大阪市と堺市のデータも探すのか…とやる気をなくしております。
主な自治体をさらっと調べてみましたが、都道府県レベルでの公開は少なく、市町村レベルでの公開が多いです(保育所の担当が市町村だからでしょうか)。厚生労働省は社会福祉施設等調査を毎年行っています。このデータから所在地を公開しくれれば形式がばらばらで困ることもないし、毎年更新されて大変便利です。オープンデータ、厚生労働省も頑張って欲しいな。
4.ジオコーディングしてみた
札幌市の新設保育所マップはArcGIS Onlineを利用して、
東京都の認証保育所AB種別入りマップはFusion Tablesのジオコーディングで作成しました。Fusion Tablesのジオコーディングは1時間以上かかりましたが、エラーが出たのが7個だけ。これはすごい!けど、、どのレベルでジオコーディングが出来たのか分からない。すでにズレをいくつか発見していて(町丁目レベルでコーディングされた模様)一つ一つ確認するわけにもいかないし困りますね。
ジオコーディングならまずは
CSISでしょ!ということでこちらも試していますが、住居レベルまでたどるのは難しいようです(理由は
森さんの記事を)。でも、こちらはどのレベルまでマッチングできたか分かるので助かります。まずはこちらでジオコーディングして、住居レベルに満たなかったものをFusion Tableでジオコーディングが良いのかもしれません(が、まだそこまで達しておりません)。Yahoo!ロコもいけそうですが、まだ試しておりません(商用はだめっぽいですね。商用じゃないですけどね、儲かった暁にはOFF4G Hokkaidoに寿司職人呼んじゃうもんね!)。
と言うわけで、FOSS4Gなら
OpenLayersで簡単作成じゃないのと色々突っ込みどころの多い話になってしまいましたが、データもある、サービスもあると安易に始めた割にはけっこう時間がかかったというか、全然終わらないよ…と言うお話でした(突貫記事なので、間違いがありましたらコメントお願いします。)。
FOSS4Gの話がほとんどない!と思われた皆さま、今までのは壮大な前振りです。【本題はこちら!】来年の3月14日ホワイトデーに広島国際会議場フェニックスホールで1,500人が集まる
盛大なFOSS4Gイベントがあります。皆さま、ぜひそちらでお会いしましょう!